ブランドマーケティング・ケーススタディ

ブランドマーケティングの事例や関連著書レビューなど

書評:「伝わる」のルール 体験でコミュニケーションをデザインする 伊藤直樹著

【概要】

広告代理店のクリエイターの伊藤直樹氏が行った広告学校での講義の模様を本の形式にした。伊藤直樹氏はインタラクティブな広告のデザインで有名。

 

 

「伝わる」のルール 体験でコミュニケーションをデザインする

「伝わる」のルール 体験でコミュニケーションをデザインする

 

 

[内容]
カンヌ国際広告祭で3年連続金賞受賞(フィルム、サイバー、アウトドア、PR部門)、世界が絶賛するクリエイティブディレクターは、こうやって人びとの心をつかむ。
[著者]
伊藤直樹(いとうなおき) / クリエイティブディレクター

テレビからウェブまでをフラットに用いた、メディアにとらわれない広告キャンペーンやブランディングを得意とするクリエイティブディレクター。
テレビCFの企画、コピーライティング、アートディレクション、戦略PRなども手がけている。最近では商品開発、事業提案、社会活動などもおこなっている。
おもな仕事には、ナイキ/NIKEiD「Nike Cosplay」、マイクロソフト/Xbox「BIG SHADOW」、ソニー/ウォークマン「REC YOU」、ハンゲーム「人生の半分は、ゲームだ。」、相模ゴム工業/サガミオリジナル002「LOVE DISTANCE」などがある。
カンヌ国際広告祭(フィルム部門、サイバー部門、アウトドア部門、PR部門などで金賞5回)、アドフェスト(3年連続グランプリ)、東京インタラクティブ・アド・アワード(グランプリ、ベストクリエイター)をはじめ国内外での受賞多数。TCC会員、NY ADC会員、ONE SHOW会員。
[著者略歴 ]
伊藤/直樹
1971年静岡県生まれ。早稲田大学法学部卒。テレビからウェブまでをフラットに用いた、メディアにとらわれない広告キャンペーンやブランディングを得意とするクリエイティブディレクター。テレビCFの企画、コピーライティング、アートディレクション、戦略PRなども手がけている。最近では商品開発、事業提案、社会活動などもおこなっている。カンヌ国際広告祭(フィルム部門、サイバー部門、アウトドア部門、PR部門などで金賞5回)、アドフェスト(3年連続グランプリ)、東京インタラクティブ・アド・アワード(グランプリ、ベストクリエイター)をはじめ国内外での受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(amazonより引用)

 

【メッセージ】

ターゲットが気づいていなかったけど商品について共感できるコンセプト(テーマ/メッセージ)を考え、それをメディアの特性を生かす表現方法で伝える。ただ表現が目新しいだけではだめで、刺さってどう広がるプランまで考えること。

 

【感想】

刺さりそうなアイデアから/ 共感できるコンセプトから/ メディアから どこから思いついてもOKだが最終的にそれら全ての要素が無いとだめ。というのは現場ならではの意見だなと思った。

いい企画はシンプルで本能でも理性でも万人に納得感がある。ただ、このなかで一番重要なのは、コンセプト(テーマ)であるというメッセージに共感する。いいアイデアはシンプルに説得力がある。

テーマに沿っていてかつメディアの特性を生かす表現が必要不可欠というのは、よく宇田丸師匠が映画評で言っていることと同じだなと思った。理にかなってる方が強いというのは当たり前。

コンセプトを考えるときは受け手になりきって反応を予測して企画に盛り込む「空間導線」を盛り込む というのは、どことなくライブ構成を考える作業に似ている気がした。

インサイト=商品との関係の中で受け手に共感してもらえるポイント、コンセプト。実現するのは自分の経験の記憶という指摘は鋭いと思った。つまり、なりきれなかったら考えられないので、全く別の文化でのコンセプトを考えるのは難しいのではないかと思った。小さい頃見ていたテレビの記憶とか、後からの勉強ではどうにもならない点もあると思う。

企画書には冒頭3行のまとめを入れろ。納得。

メッセージ=表現 刺さるメッセージをクリスタルクリアにし、メッセージに合ったメディアを組み合わせる。ここの必然性は受け取る側からは右脳で心地よいかどうかなので、ここを言語化するのはとても難しいと思うが作る側がここをさぼったら何の感動も生まれないし効果もない。

文化的なもの・慣習のシフトは難しい。→実感する毎日

いいインサイト(切り口/コンセプト)を見つけたもん勝ちなのは本当にその通りだと思う。かちっと芯が通れば一貫性もあっていいキャンペーンになるし、逆は終止ちぐはぐになる。

 

【要約】

0. 伊藤直樹のルール

"インタラクティブ"な"仕組み"を活用することで、身体性の高い"ブランド体験"をユーザーに提供している。その為にはメディアに合った表現が必要だ。

 

1. 「インタラクティブ」のルール

広告は"遊園地のアトラクション作り"に似た者になる。カタルシスのある様々な身体性のある体験を受け手に提供することで企業やブランドとのつながりを強めてもらう。

2. 「仕組みと表現」のルール

絵、コンセプト(コピー)は例え話。しかもターゲットに刺さるものである必要有り。

どのように世の中に広がっていくかというプラン(=コンテキスト)が必要

3. 「インサイト」のルール

ターゲットとブランド(商品)の気持ちの共感点(インサイト)を掘り下げて捕まえ、切り口(コンセプト)を探す。

気持ちがふまえられていないと仕組みもワークしない。経験の記憶をたよりに頑張って探す。

その際受け手になりきること有効